ビューティフル ライフ。 Beautiful★Life

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ビューティフル ライフ

TBS「日曜劇場」の歴史をさかのぼって紐解くシリーズも第12回、今回を含めてあと2回、トリを飾るのは『ビューティフルライフ』、木村拓哉・常盤貴子主演の大ヒットドラマだ。 このドラマを語る上で欠かせないのは「障害はドラマでどう描かれてきたか」という視点。 ドラマ考察で知られるライター近藤正高氏が、時代背景を確かめながら改めて鑑賞する。 『半沢直樹』の放送が始まるまでのあいだお届けしてきたこの連載も、ひとまず今週と来週の2回をもって区切りをつけたい。 連載の最後にとりあげる作品は、先にお伝えしたとおり木村拓哉・常盤貴子主演の大ヒットドラマ『ビューティフルライフ』(正式なタイトルは『Beautiful Life〜ふたりでいた日々〜』だが、ここではこの表記で統一する)である。 いまからちょうど20年前、2000年1月〜3月に放送された本作では、木村扮する美容師・沖島柊二と、常盤扮する足の不自由な図書館職員・町田杏子が紆余曲折を経ながらしだいに愛を深めていくさまが描かれた。 ここで、障害者が登場するドラマの系譜を簡単に振り返っておきたい。 脚本家の山田太一は1979年、NHKの『男たちの旅路』シリーズの1作「車輪の一歩」において、当時ほぼ社会の片隅に追いやられ、不自由な生活を強いられていた身体障害者を描いた。 そこでは車椅子の青年たちが登場し、一人では電車・バスにも乗れず、タクシーには乗車拒否され、アパートも貸してもらえないという彼らに、鶴田浩二や水谷豊らが演じるガードマンが手助けしようとする。 当時の身体障害者を取り巻く厳しい状況が、この作品からはありありとうかがえる。 山田はその後、当連載でもとりあげた『丘の上の向日葵』(1993年)でも、車椅子で暮らす青年を登場させている。 「車輪の一歩」のころとくらべると、車椅子が電動になったりと、状況は幾分かは改善されたとはいえ、それでも駅の階段にはまだ車椅子用の昇降機が設置されていなかったりと、社会環境におけるバリアフリー化が進むのはもう少し先だった。 同じく1993年に放送された『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)でも、両親を亡くした主人公一家の四男(まだ10代だった山本耕史が演じた)が足が不自由で、車椅子で生活していた。 同作の脚本家の野島伸司はその後、TBS系の『未成年』(1995年)、『聖者の行進』(1998年)では知的障害者を登場させている。 このように1990年代以降、障害者が出てくるドラマが目立つようになった。 1995年には、日本テレビ系の『星の金貨』で酒井法子が耳と口の不自由な看護師見習いを演じたのに続き、TBS系の『愛していると言ってくれ』では、豊川悦史が聴覚障害者の画家を演じ、常盤貴子演じる女優の卵と愛を深めていくさまが描かれた。 『愛していると言ってくれ』は北川悦吏子の作品だった。 北川はその後も、今回とりあげる『ビューティフルライフ』、さらにNHKの朝ドラ『半分、青い。 』(2018年)でもヒロインが子供のころに片耳が聞こえなくなったりと、ハンディキャップを抱えた人物をたびたび作中に登場させている。 もっとも、恋愛ドラマを得意とする北川は、障害者を描くことで社会の不合理を訴える(いわば社会派的な歩み寄り方)というよりは、むしろ、身体的なハンディキャップも、人が恋愛をするうえでの障壁のひとつとして描いているふしがある。 そこには時代の流れも見逃せない。 十把一絡げに扱ってもらいたくないという思い ちょうど『ビューティフルライフ』が放送されるのと前後して、早稲田大学の学生だった乙武洋匡が、生まれつき手足がない自らの半生をつづった『五体不満足』を上梓し、1998年10月の発売から約1年間で発行部数が415万部に達するベストセラーとなっていた。 他方で、障害者が社会的に活動するうえでの支障を取り除くべく、バリアフリー化も徐々に実現していく。 1994年にはハートビル法が、さらに2000年には交通バリアフリー法と、社会環境のバリアフリーを促進する法律が施行されている(これら法律はのち2006年にバリアフリー新法へと統合された)。 『ビューティフルライフ』でも、常盤演じるヒロインの杏子が勤める図書館の玄関にはスロープが設けられているのがうかがえる。 その一方で、車椅子の彼女がレストランなどに入るのを断られたり、タクシーに乗車拒否される様子も出てきた。 病気のため17歳のときに足が動かなくなった杏子だが、自分でクルマも運転するし、人前では努めて明るく振る舞う。 それというのも、自分を障害者として十把一絡げに扱ってもらいたくないという思いがあるからだ。 そのため、彼女は他人から同情的に接されることに敏感で、ときに激しく抵抗を示す。 こうした杏子の人物造形は、社会が少しずつではあるものの障害者が自由に活動できる方向へと進み、ハンディキャップを個性の一種としてとらえようという主張も出てきた時代を反映していたといえる。 展開の速さに驚かされる さて視線を、『ビューティフルライフ』が出てきた時代背景から、肝心のドラマの内容へと向けたい。 15分の拡大版となった第1回では、初回からさっそく物語にグイグイと視聴者を引きこんでしまう北川たちつくり手の力量に感心させられた。 それというのも、よけいな説明はせずに人物の設定などを示し、また物語上重要な要素やセリフを出し惜しみせずに最初からどんどん出しているからだろう。 第1回は、柊二はバイク、杏子はクルマを走らせるところから始まった。 杏子は信号待ちのあいだケータイで話に夢中になり、思わず窓の外へ腕を突き出す。 それが隣りへ走り込んできた柊二にぶつかりそうになった。 彼は抗議するも、すぐ信号が変わって話が終わらないまま彼女のクルマは発進してしまう。 だが、二人はこのあと同じ道順をたどり、図書館(青山学院大学の裏にあるらしい)へとたどり着く。 その玄関前の駐車場で杏子のクルマのすぐ横にバイクを止めた柊二は、バイクをどかすよう促された。 このとき彼女が足が不自由で、普段は車椅子で生活していることがあきらかとなる。 ドラマが始まってここまでわずか5分。 一気に主人公の二人が出会い、杏子の境遇が示される展開の速さに驚かされる。 しかも彼女の独特のパーマ姿にどうしても目が行ってしまう。 この髪型がのちのち物語の展開にかかわってくることを思えば見せ方がうまい。 柊二が杏子の勤務する図書館に来たのは、水酸化ナトリウムの本を探すためだった。 杏子の図書館職員としての柊二への対応はやや気になるとはいえ(たとえば相談を拒否したかと思えば、水酸化ナトリウムで爆弾をつくるのではないかと言い立てたり……)、そこはひとまず目をつぶろう。 このあと、柊二が水酸化ナトリウムについて調べていたのは、美容師として髪を傷めないパーマ液をつくるためだとわかる。 ただ、彼は研究熱心で腕も確かなものの、その頑固さから客に苦情を受けることもしばしばだった。 おかげで勤務先の美容室では最大のライバルである同期の悟(西川貴教)、また元カノの真弓(原千晶)にも人気で引き離され、焦りが募っていた。 柊二は後輩の巧(池内博之)とともに、新たなヘアスタイルを試させてくれるモデルも探していた。 そこでふと杏子のことを思い出し、再び図書館を訪れると話を切り出す。 当初は渋った彼女だが、意を決して柊二の勤める美容室を訪ねた。 ちょうど店には雑誌の取材が来ていた。 それを知ってまた嫌がる彼女を、悟に負けたくない柊二はどうにかなだめて、カットさせてもらう。 もし仕上がりが気に入らなければ、カット後の写真撮影は断ってくれていいとの約束だったが、杏子は彼の切ってくれたヘアスタイルにすっかり満足し、レンズに収まった。 撮影終了後、歩道橋の上で二人は一緒に夕陽を眺める。 そこで柊二がおもむろに体をかがめ、杏子と同じ目線に立った。 その行動に不思議がる杏子に、彼は「いや、車椅子だとさ、いつも目の高さ100センチぐらいでしょ。 そうするとやっぱり見えてくる世界違うんだろうな」と返す。 それまで、ありきたりの優しい言葉をかけられるばかりだった彼女には柊二の言動は新鮮で、すっかり感動してしまう。 もう少し回を追ってから出してもよさそうな名ゼリフだが、このドラマは出し惜しみはしない。 お手本のような完成度 こうして第1回から主人公二人は、あまりよい出会い方をしなかったにもかかわらず、一気に距離を縮めていった。 単発ドラマなら、このまま歩道橋の場面をクライマックスに終わってもおかしくないが、そこは連続ドラマとあって、ちゃんと次回へと続く展開が待っていた。 杏子の写真が載った雑誌が発売されたものの、そこでは彼女の髪型より、障害者であることが強調されていたのだ。 そのことに杏子は深く傷つき、柊二は美容師として売り込むために自分を利用したのではないかと疑念を抱く。 柊二はその夜、写真があんなふうに使われるとは思わなかったと杏子に電話で弁解するが、彼女から問いただされ、注目されたいという思いがなかったとは言い切れない自分に気づく。 だが、杏子も電話を切ったあと、しばらくして思い直し、雨のなか彼に会いに行った。 また図書館に来ていいと許す彼女に、柊二が傘を差し出す。 この和解の場面に、杏子のモノローグで「ねえ、柊二、この世はきれいだったよ。 高さ100センチから見る世界はきれいだったよ。 あなたと会ってラスト何ヵ月かで星屑を撒いたように輝いたんだ」というナレーションがかぶさった。 こうして、のちに彼女の身に何かが起こることがほのめかされながら初回を締めくくられると、どうしたって今後の展開が気にならずにはいられない。 第1回だけで、まるで単発ドラマのような緩急ある展開を見せながら次回へとつなげる、連続ドラマの初回のお手本のような完成度であった。 そんな『ビューティフルライフ』はそれからどのように展開し、結末を迎えたのか、次回連載最終回では見てみることにしたい。 1976年生まれ。 ドラマを見ながら物語の背景などを深読みするのが大好き。 著書に『タモリと戦後ニッポン』『ビートたけしと北野武』(いずれも講談社現代新書)などがある。

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ビューティフルライフ

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1%という驚異の数字です。 【ビューティフルライフ】キャスト&役どころは? 引用: 木村拓哉 沖島 柊二(おきしま しゅうじ)役 有名店に勤める美容師。 実家は医者一家。 美容師としての腕はいいのだが、人気はあまりない。 引用: 常盤貴子 町田 杏子(まちだ きょうこ)役 車椅子で生活する図書館司書。 免疫系の難病におかされており、10年以上車椅子で過ごしてる。 引用: 水野美紀 田村 佐千絵(たむら さちえ)役 杏子の同僚で親友。 杏子と柊二の恋を応援する。 杏子の兄・正夫のことが好き。 引用: 渡部篤郎 町田 正夫(まちだ まさお)役 杏子の兄。 実家の酒屋で働いている。 妹の杏子を大事に思っており、柊二との交際に反対する。 引用: 西川貴教 川村 悟(かわむら さとる)役 柊二と同期の人気美容師。 柊二をライバル視していて、デザインを盗んだり邪魔をしてくる。 引用: 池内博之 岡部 巧(おかべ たくみ)役 柊二の職場の後輩。 柊二に憧れており、アシスタントからスタイリストへの昇格を夢見る。 【ビューティフルライフ】見どころ 木村拓哉と常盤貴子の切ない恋に毎週号泣! 引用: 難病におかされている車椅子の女性と、美容師の恋。 車椅子というだけでも障害があるのに、悪化していく病状に、身を引こうとする杏子。 すれ違い、妨害などを乗り越えていくふたりの恋愛に、毎週号泣必至です! キムタク人気全盛期!今見てもかっこいいしセクシー 引用: このドラマに影響されて、美容師を目指す人が続出したくらい、キムタク人気爆発していた頃です。 キムタクが着用したマーモットのダウン、パタゴニアのフリース、劇中で乗っていたオートバイであるヤマハ・TW200はバカ売れしました。 車椅子を軽快に押す姿もかっこいいです! 【ビューティフルライフ】1話〜10話のネタバレあらすじ 1話「車イスの恋」 引用: 交差点での交通トラブルで出会った柊二と杏子は、図書館で再開。 柊二は、杏子が車椅子に乗っていることに驚くが、それは最初だけで、ナチュラルに接する。 杏子は、自分を車椅子だからと特別扱いしない柊二が気にかかる。 杏子をカットモデルに誘う柊二。 仕上がりもよく、柊二はお礼にとご飯に誘うが、車椅子OKのお店がなかなか見つからない。 おんぶしようとするが杏子に強く断られる。 結局、屋台のラーメン屋に入るが、杏子はそこで柊二にやせ細った足を見られたくなかったのだと本音を話す。 2話「二人の夢」 引用: 柊二と同期の悟は、柊二あての取材の依頼を勝手に断るなど、柊二をライバル視している。 杏子と柊二は、原宿でデートをする。 靴屋のショーウインドウの赤い靴を眺める杏子。 公園のベンチで自分や家族のことを話すふたり。 楽しい時間が流れる…。 ある日杏子は柊二が図書館に置き忘れたデザイン画を美容室に届けに行くが、お店は定休日。 そこにいた悟にデザインを渡す。 悟は、それをカメラで撮影したあと、杏子を追いかけ、直接柊二の部屋に返しに行くようにお願いをする。 杏子が柊二の家へ行くと、柊二の部屋から、彼と元カノの真弓が一緒に出てくる。 3話「キスの夜」 引用: 雑誌の取材で、柊二のデザインを盗用した悟。 真弓は杏子を責める。 翌日から、杏子は佐千絵とともに、デザインの資料を作るために、街角でスナップを撮影したり、柊二のために行動を開始する。 途中、柊二とデートで見た靴屋を通ると、そこに赤い靴はなかった。 完成した資料を届けに美容室へ行くと、真弓に車椅子という不幸を武器にしていると罵られる杏子。 それを聞いた柊二は真弓にビンタ。 柊二と杏子は飲みに行き、トイレに行きたくなった杏子のために、自宅に案内する柊二。 彼の自宅には、あの赤い靴があった。 なんで自分に優しくするのかと聞く杏子に、柊二は「気になるから」と返す。 そして、二人はキスをする。 4話「会いたい」 引用: トップスタイリストの昇格試験に合格し、それを杏子に知らせに行く柊二だったが、杏子は西海岸への旅行中。 知らされていない柊二は、ショックを受ける。 杏子は、柊二の家からの帰りに借りたジャケットと、お土産のドリームキャッチャーを持って美容室の前まで来るが、気後れして入ることができない。 自分が原因で兄の見合いがダメになったことを知り、柊二とも距離をおこうとして喧嘩になる。 佐千絵は、杏子の言葉の向こうにある気持ちをわかってあげて欲しいと、柊二にお願いをする。 ドライブデートに杏子を誘う柊二。 約束の日、待ち合わせ場所に向かう杏子だが、側溝に車椅子の車輪がおちて、立ち往生。 柊二がこない杏子を諦めて帰ろうとしたそのとき、杏子が現れる。 二人は連絡が取れるように、電話番号を教えあった。 5話「冷たい雨」 引用: トップスタイリストになった柊二は、取材や客の指名が増え、忙しくなる。 杏子とのデートでも遅刻してきたり、映画で寝てしまう。 自分が車椅子で、柊二に余計な手間をかけている自分に落ち込む杏子。 住む世界が違うと、喧嘩になってしまう。 柊二は柊二で、杏子が車椅子の高校の同級生と話している楽しそうな姿を見て、声をかけられなくなるなど、すれ違いが続く。 美容室のライブが開催される。 柊二はあまり乗り気じゃない。 会場に、杏子が来たことを知り、教えていないのにと動揺する柊二。 ライブの特別イベントは、会場からモデルを選んでのカット。 悟は柊二のモデルに杏子を選ぶ。 6話「恋敵」 引用: ステージに上がった杏子だが、車椅子がすべり、転落しそうになる。 それをかばい、柊二がステージから転落。 怪我をおってしまう。 杏子は、車椅子の自分が何もできないことに落ち込む。 図書館に、悟がやってきて、杏子にライブのことを謝罪する。 杏子を指名したのは、いたずら心もあったが、柊二が杏子の髪型を作るのを、もう一度見たかったんだと素直に話す。 柊二と杏子は、巧や佐千絵の企みで遊園地デートすることに。 杏子は柊二との関係を終わらせようと、わざと柊二を困らせたりするが、「歩かせてやりてえし、走らせてやりてえよ…杏子がそれ望むんならな…でも俺じゃ何にもできねぇじゃん…」という、自分に対する柊二の思いを知り、涙を流す。 7話「心の距離」 引用: 柊二の学生時代の元カノ・さつき(小雪)から電話がある。 その存在が気になってしまう杏子。 杏子の家に行く柊二。 兄の正夫は気が気じゃないが、杏子の父と母は「気楽に家に寄ってね」と、恋を優しく見守ってくれる雰囲気。 美容室に行くと、柊二がバイクの後ろにさつきを乗せている姿を見てしまう。 正夫は後日柊二に会いに来て、身障者との結婚の難しさを話し、杏子と別れるように柊二に言う。 店長と経営方針でぶつかったりと、うまくいかないことが多い柊二…。 自宅に戻ると、さつきが待っていた。 夫に出て行けと言われたらしいさつきを、思わず柊二は抱きしめてしまう。 8話「真実」 引用: さつきの働く画廊に行く杏子だが、さつきに話しかけられて後ずさりし、車椅子から落ちて怪我をしてしまう。 柊二も病院に駆けつけるが、杏子は目を合わせようともしない。 電話をかけても、正夫は取り次いでくれないので、自宅を尋ねると、杏子は親戚に家にしばらく滞在することになったのだと言う。 正夫は、赤い靴を柊二に持たせ、彼を追い返す。 柊二に話しかける杏子の母。 親戚の家の住所を柊二に渡した上で、杏子の病気は43分の13の確率で死に至ることを告げる。 柊二が部屋に戻ると、杏子が待っていた。 杏子は、明るく別れを切り出す。 もっと普通で健康な子と付き合って欲しいと。 しかし、柊二は「杏子のこと、あきらめられない。 何よりも、何よりも大事だからさ」と答える。 9話「君の命」 引用: 柊二の家の合鍵をもらい、喜ぶ杏子。 柊二が将来、小さな自分の店を持ちたいと、店のスケッチを描いて杏子に見せる。 バリアフリーの大きな家を借りて、これから先ずっとやっていこうと話す柊二。 しかし、病状は悪化し、再検査が必要になる。 正夫に再検査が必要だと言われ、正夫の前では平気な顔をするが、一人になると、思い詰めた表情になり、車のキーを掴むと、家を出て行く。 杏子がいないことに気づいた正夫は、柊二に電話をかける。 車から降り、富士五湖の水面近くで車椅子のまま思い詰める杏子。 柊二が追いかけてきて、杏子の名前を叫び、探す。 杏子が少しずつ車椅子を前に出し、水際ギリギリのその時、柊二の自分を呼ぶ声が聞こえ、思わず柊二の名を呼ぶ。 一人で死ぬつもりだったと言う杏子に、死ぬんだったら俺も一緒に死んでやると柊二は言う。 10話「恋しくて」 引用: 杏子が自殺しようとした日以来、柊二は仕事に集中できない。 そんな折、美容室が倒産してしまう。 柊二は、杏子の家を訪ね、交際を認めて欲しいと正夫に言う。 杏子の病気は悪化している、それでもいいのかと詰め寄る正夫。 そこに、買い物に出ていた杏子と父親が戻ってきて、みんなですき焼きを楽しむことに。 楽しそうな杏子に、正夫は複雑な気持ちだ。 杏子の再検査の結果は「悪性」だった。 「あなたに会わなければよかった。 死ぬのが辛くなる」と泣く杏子を励ます柊二。 病室で一人、柊二への思いを日記に綴る杏子。 病院を抜け出し、柊二の元へ向かう。 現れた杏子に驚く柊二。 杏子は、そんな彼に「抱いて欲しい」と言う。 杏子をベッドに運び、二人はキスをする…。 【ビューティフルライフ】最終回ネタバレあらすじ 11話「未来へ」 引用: 杏子は退院し、柊二と暮らし始めた。 家族からは子犬をプレゼントされる。 しかし、杏子の病状は悪化し、再入院することに。 柊二が美容師として再起をかけたショーの当日、杏子はどうしてもショーに行きたいと正夫にお願いをする。 柊二の活躍を見つめている杏子だが、途中で意識を失ってしまう。 ショーが終わり、柊二が駆けつけると、ちょうど救急車が出るところだった。 懸命に杏子に声をかける柊二。 「よかったよ、コレクション。 色々ごめんね。 ありがとう」と言って、杏子は目を閉じた。 町田家では葬儀の準備が進んでいた。 杏子に化粧を施す柊二。 母が、天国で歩けるようにと、赤い靴を持ってきた。 大きな犬がベランダにいる、海辺の美容室。 壁には杏子が撮影した写真が貼ってある。 壁にはドリームキャッチャー。 柊二は、夢を叶えたのだった。 様々な箇所で障害に対する社会的偏見がある時代感を映しているんだけど、 柊二(木村拓哉)が「できないことは俺に任せろ」じゃなくて(できるように一緒に考えよう」と言うシーンが 素敵過ぎて泣けた。 — 草田 彩夏 Kusamochi0820 引用: 【ビューティフルライフ】は動画配信サイト「Paravi」で全話視聴可能! 【ビューティフルライフ】は動画配信サイトで見ることができます。

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ライフ・イズ・ビューティフル : 作品情報

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TBS「日曜劇場」の歴史をさかのぼって紐解くシリーズも第12回、今回を含めてあと2回、トリを飾るのは『ビューティフルライフ』、木村拓哉・常盤貴子主演の大ヒットドラマだ。 このドラマを語る上で欠かせないのは「障害はドラマでどう描かれてきたか」という視点。 ドラマ考察で知られるライター近藤正高氏が、時代背景を確かめながら改めて鑑賞する。 『半沢直樹』の放送が始まるまでのあいだお届けしてきたこの連載も、ひとまず今週と来週の2回をもって区切りをつけたい。 連載の最後にとりあげる作品は、先にお伝えしたとおり木村拓哉・常盤貴子主演の大ヒットドラマ『ビューティフルライフ』(正式なタイトルは『Beautiful Life〜ふたりでいた日々〜』だが、ここではこの表記で統一する)である。 いまからちょうど20年前、2000年1月〜3月に放送された本作では、木村扮する美容師・沖島柊二と、常盤扮する足の不自由な図書館職員・町田杏子が紆余曲折を経ながらしだいに愛を深めていくさまが描かれた。 ここで、障害者が登場するドラマの系譜を簡単に振り返っておきたい。 脚本家の山田太一は1979年、NHKの『男たちの旅路』シリーズの1作「車輪の一歩」において、当時ほぼ社会の片隅に追いやられ、不自由な生活を強いられていた身体障害者を描いた。 そこでは車椅子の青年たちが登場し、一人では電車・バスにも乗れず、タクシーには乗車拒否され、アパートも貸してもらえないという彼らに、鶴田浩二や水谷豊らが演じるガードマンが手助けしようとする。 当時の身体障害者を取り巻く厳しい状況が、この作品からはありありとうかがえる。 山田はその後、当連載でもとりあげた『丘の上の向日葵』(1993年)でも、車椅子で暮らす青年を登場させている。 「車輪の一歩」のころとくらべると、車椅子が電動になったりと、状況は幾分かは改善されたとはいえ、それでも駅の階段にはまだ車椅子用の昇降機が設置されていなかったりと、社会環境におけるバリアフリー化が進むのはもう少し先だった。 同じく1993年に放送された『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)でも、両親を亡くした主人公一家の四男(まだ10代だった山本耕史が演じた)が足が不自由で、車椅子で生活していた。 同作の脚本家の野島伸司はその後、TBS系の『未成年』(1995年)、『聖者の行進』(1998年)では知的障害者を登場させている。 このように1990年代以降、障害者が出てくるドラマが目立つようになった。 1995年には、日本テレビ系の『星の金貨』で酒井法子が耳と口の不自由な看護師見習いを演じたのに続き、TBS系の『愛していると言ってくれ』では、豊川悦史が聴覚障害者の画家を演じ、常盤貴子演じる女優の卵と愛を深めていくさまが描かれた。 『愛していると言ってくれ』は北川悦吏子の作品だった。 北川はその後も、今回とりあげる『ビューティフルライフ』、さらにNHKの朝ドラ『半分、青い。 』(2018年)でもヒロインが子供のころに片耳が聞こえなくなったりと、ハンディキャップを抱えた人物をたびたび作中に登場させている。 もっとも、恋愛ドラマを得意とする北川は、障害者を描くことで社会の不合理を訴える(いわば社会派的な歩み寄り方)というよりは、むしろ、身体的なハンディキャップも、人が恋愛をするうえでの障壁のひとつとして描いているふしがある。 そこには時代の流れも見逃せない。 十把一絡げに扱ってもらいたくないという思い ちょうど『ビューティフルライフ』が放送されるのと前後して、早稲田大学の学生だった乙武洋匡が、生まれつき手足がない自らの半生をつづった『五体不満足』を上梓し、1998年10月の発売から約1年間で発行部数が415万部に達するベストセラーとなっていた。 他方で、障害者が社会的に活動するうえでの支障を取り除くべく、バリアフリー化も徐々に実現していく。 1994年にはハートビル法が、さらに2000年には交通バリアフリー法と、社会環境のバリアフリーを促進する法律が施行されている(これら法律はのち2006年にバリアフリー新法へと統合された)。 『ビューティフルライフ』でも、常盤演じるヒロインの杏子が勤める図書館の玄関にはスロープが設けられているのがうかがえる。 その一方で、車椅子の彼女がレストランなどに入るのを断られたり、タクシーに乗車拒否される様子も出てきた。 病気のため17歳のときに足が動かなくなった杏子だが、自分でクルマも運転するし、人前では努めて明るく振る舞う。 それというのも、自分を障害者として十把一絡げに扱ってもらいたくないという思いがあるからだ。 そのため、彼女は他人から同情的に接されることに敏感で、ときに激しく抵抗を示す。 こうした杏子の人物造形は、社会が少しずつではあるものの障害者が自由に活動できる方向へと進み、ハンディキャップを個性の一種としてとらえようという主張も出てきた時代を反映していたといえる。 展開の速さに驚かされる さて視線を、『ビューティフルライフ』が出てきた時代背景から、肝心のドラマの内容へと向けたい。 15分の拡大版となった第1回では、初回からさっそく物語にグイグイと視聴者を引きこんでしまう北川たちつくり手の力量に感心させられた。 それというのも、よけいな説明はせずに人物の設定などを示し、また物語上重要な要素やセリフを出し惜しみせずに最初からどんどん出しているからだろう。 第1回は、柊二はバイク、杏子はクルマを走らせるところから始まった。 杏子は信号待ちのあいだケータイで話に夢中になり、思わず窓の外へ腕を突き出す。 それが隣りへ走り込んできた柊二にぶつかりそうになった。 彼は抗議するも、すぐ信号が変わって話が終わらないまま彼女のクルマは発進してしまう。 だが、二人はこのあと同じ道順をたどり、図書館(青山学院大学の裏にあるらしい)へとたどり着く。 その玄関前の駐車場で杏子のクルマのすぐ横にバイクを止めた柊二は、バイクをどかすよう促された。 このとき彼女が足が不自由で、普段は車椅子で生活していることがあきらかとなる。 ドラマが始まってここまでわずか5分。 一気に主人公の二人が出会い、杏子の境遇が示される展開の速さに驚かされる。 しかも彼女の独特のパーマ姿にどうしても目が行ってしまう。 この髪型がのちのち物語の展開にかかわってくることを思えば見せ方がうまい。 柊二が杏子の勤務する図書館に来たのは、水酸化ナトリウムの本を探すためだった。 杏子の図書館職員としての柊二への対応はやや気になるとはいえ(たとえば相談を拒否したかと思えば、水酸化ナトリウムで爆弾をつくるのではないかと言い立てたり……)、そこはひとまず目をつぶろう。 このあと、柊二が水酸化ナトリウムについて調べていたのは、美容師として髪を傷めないパーマ液をつくるためだとわかる。 ただ、彼は研究熱心で腕も確かなものの、その頑固さから客に苦情を受けることもしばしばだった。 おかげで勤務先の美容室では最大のライバルである同期の悟(西川貴教)、また元カノの真弓(原千晶)にも人気で引き離され、焦りが募っていた。 柊二は後輩の巧(池内博之)とともに、新たなヘアスタイルを試させてくれるモデルも探していた。 そこでふと杏子のことを思い出し、再び図書館を訪れると話を切り出す。 当初は渋った彼女だが、意を決して柊二の勤める美容室を訪ねた。 ちょうど店には雑誌の取材が来ていた。 それを知ってまた嫌がる彼女を、悟に負けたくない柊二はどうにかなだめて、カットさせてもらう。 もし仕上がりが気に入らなければ、カット後の写真撮影は断ってくれていいとの約束だったが、杏子は彼の切ってくれたヘアスタイルにすっかり満足し、レンズに収まった。 撮影終了後、歩道橋の上で二人は一緒に夕陽を眺める。 そこで柊二がおもむろに体をかがめ、杏子と同じ目線に立った。 その行動に不思議がる杏子に、彼は「いや、車椅子だとさ、いつも目の高さ100センチぐらいでしょ。 そうするとやっぱり見えてくる世界違うんだろうな」と返す。 それまで、ありきたりの優しい言葉をかけられるばかりだった彼女には柊二の言動は新鮮で、すっかり感動してしまう。 もう少し回を追ってから出してもよさそうな名ゼリフだが、このドラマは出し惜しみはしない。 お手本のような完成度 こうして第1回から主人公二人は、あまりよい出会い方をしなかったにもかかわらず、一気に距離を縮めていった。 単発ドラマなら、このまま歩道橋の場面をクライマックスに終わってもおかしくないが、そこは連続ドラマとあって、ちゃんと次回へと続く展開が待っていた。 杏子の写真が載った雑誌が発売されたものの、そこでは彼女の髪型より、障害者であることが強調されていたのだ。 そのことに杏子は深く傷つき、柊二は美容師として売り込むために自分を利用したのではないかと疑念を抱く。 柊二はその夜、写真があんなふうに使われるとは思わなかったと杏子に電話で弁解するが、彼女から問いただされ、注目されたいという思いがなかったとは言い切れない自分に気づく。 だが、杏子も電話を切ったあと、しばらくして思い直し、雨のなか彼に会いに行った。 また図書館に来ていいと許す彼女に、柊二が傘を差し出す。 この和解の場面に、杏子のモノローグで「ねえ、柊二、この世はきれいだったよ。 高さ100センチから見る世界はきれいだったよ。 あなたと会ってラスト何ヵ月かで星屑を撒いたように輝いたんだ」というナレーションがかぶさった。 こうして、のちに彼女の身に何かが起こることがほのめかされながら初回を締めくくられると、どうしたって今後の展開が気にならずにはいられない。 第1回だけで、まるで単発ドラマのような緩急ある展開を見せながら次回へとつなげる、連続ドラマの初回のお手本のような完成度であった。 そんな『ビューティフルライフ』はそれからどのように展開し、結末を迎えたのか、次回連載最終回では見てみることにしたい。 1976年生まれ。 ドラマを見ながら物語の背景などを深読みするのが大好き。 著書に『タモリと戦後ニッポン』『ビートたけしと北野武』(いずれも講談社現代新書)などがある。

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