ニューロ コンピュータ。 AIに最適な脳型LSI、東北大が脳機能のモジュール化で2019年度に実現へ

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図2 講演を行う日本アイ・ビー・エムの山道新太郎氏 画像提供:SEMI Japan ビッグデータの時代には、人間の脳のように経験から学び、異なる事象間の関係性を見つけ、仮説を立て判断する新たなコンピューティングシステム「コグニティブ 認知 コンピューティング」が必要になる。 このためには、人間の脳神経で行われているような信号処理をハードウェア・レベルで実現する半導体デバイス「ニューロモーフィック 神経形態学的 チップ」を開発しなければならない。 山道氏はこの辺の事情と日本の研究陣の研究分担について説明した。 なお、同氏は、NEC、ルネサス エレクトロニクスの半導体プロセス開発部門を経て、2013年に日本アイ・ビー・エムに転職し、現在は東京基礎研究所新川崎事業所でニューロモーフィック・チップの3次元実装技術開発を担当している。 データを数えるための計算機として誕生したのが第1世代のコンピュータ。 第2世代では、OSやソフトウェアの助けを借りてプログラムで動くコンピュータへと進化し、そして現在、コンピュータ自身が学習する第3世代へ移ろうとしている。 コグニティブ・コンピューティングはこの第3世代に属する。 米国のクイズ番組でクイズ王と対決したIBMの自然言語による質問応答型コンピュータ「Watson 図4左 」はインターネットに接続されていない自己完結システムである。 15TBのメモリと2880個のプロセッサコアを内蔵し、ラック10本で構成されたコンピュータで200kWもの電力を消費する。 この電力は、人間の脳の消費電力 20W の1万倍にも相当する 図4右。 Watsonはそれなりに成功しているが、現実の人間の脳との間には、消費電力のみならず、クロック周波数、容量、接続密度に関して大きなギャップがある。 これに対して人間の脳はMPUとメモリが共役している。 これらの問題を解決するためには、ソフトウェア的な取り組みだけではなく、ハードウェア・アーキテクチャからのアプローチが必要である。 図3 コンピュータの変遷:今は第3世代コグニティブ・コンピューティング時代の幕開け 出所:IBM Japan 図4 コンピュータ IBM Watson:左 と人間の脳 右 の比較 出所:IBM Japan ニューロモーフィック・デバイスを開発 米国国防省国防高等研究計画局 DARPA は、2008年より「The Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics SyNAPSE:神経形態学に基づき柔軟で拡張性あるエレクトロニクス 開発プログラム」に5300万ドルの助成を行っており、IBMはその主導メンバーとして参画している。 もともとシナプス synapse は、神経細胞間あるいは筋繊維、神経細胞と他種細胞間に形成される、シグナル伝達などの神経活動に関わる接合部位とその構造のことであり、これを電子回路で実現しようという試みがsyNAPSEプログラムである。 IBMは、DARPAから研究資金を得て、2014年8月に、神経細胞の情報伝達の仕組みをモデル化して新たな並列分散処理アーキテクチャを採用した「トゥルーノース TrueNorth 」 開発コード名 と名付けた「ニューロモーフィック・チップ Neuromorphic Chip:脳の構造を模したコンピュータチップ 」を開発したことを発表した 図5。 コアには100Kビットのメモリが実装されており、ニューロンの状態やシグナルの受信元や送信先のアドレスなどの情報が保管される。 各コアは別の256コアからの信号を受け取り、さらに256コアへと信号を伝達できるようになっている。 世界に先駆けて7nm半導体プロセスを開発 このチップは、IBMの依頼で韓国Samsung Electronicsが28nm CMOSプロセスで製作した 著者注 参照。 IBMは今後さらに高集積・低消費電力化したニューロモーフィック・チップを開発するため、半導体微細化プロセスや超高密度実装技術の研究は自前で行う。 IBMは半導体製造を2015年にGLOBALFOUNDRIES GF に譲渡したが、半導体の研究開発は手放さないどころか、超微細化プロセス開発で世界を先導する方針だ。 事実、ニューヨーク州Albanyのニューヨーク州立大学Polytechnic Institute-Colleges of Nanoscale Science and Engineering CNSE キャンパス内にあるIBM半導体研究開発施設 300mm試作ライン では、5年間で3000億円を投じて、次世代プロセス・デバイスの研究を行っている。 IBMがSamsungを製造委託先に選んだ背景にはこのような事情がある。 IBMは、去る7月に10nmをスキップして半導体業界初の7nmプロセス技術を用いた動作可能なテストチップ TEG の試作に成功したことを発表した 図6、7、8。 IBMとその半導体技術開発パートナーであるGF、Samsung、それに施設のいわば家主であり、産学協同パートナーでもあるCNSEの4者が共同で目標達成したとしている。 SiGeチャネル・トランジスタや多層EUVリソグラフィなど最先端技術を採用している。

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ロバストな量子コンピュータ、まだまだ10年以上先と米国科学アカデミー報告書

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生物の神経系が情報を処理する仕組みを工学的に模倣して情報処理を行なう。 このようなネットワークでは各シナプスでのの強さを変化させて学習することと,多数の神経素子によるが特徴である。 特にいくつかのとなるを神経ネットワークに提示することにより,提示されたパターンを認識できるようになる学習機能は,解決方法を化しにくい問題に有効。 それゆえ,文字認識やなどのへのが盛んである。 また並列処理を使って,複雑な最適化問題を高速に解くための応用研究も行なわれている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について の解説 人間の脳などの神経細胞網(ニューラルネットneural net)をハードウェアあるいはソフトウェアで模擬したコンピュータをいう。 従来のコンピュータにはない、状況に応じて自らの構造を変えていく自己組織能力をもつことが特長とされる。 これにより、コンピュータに学習、認識、連想などの高度な機能を付与し、複雑な組合せ問題を解くシステム、学習モデル、並列エキスパートシステムなどが実現されている。 すでに、学習機能を考慮した入力層、中間層、出力層の3層構造のものが、LSIプロセッサーの配列・接続によったシミュレーション型、アナログLSIによるを利用したもの、発光素子と受光素子のアレイ間に空間変調素子を挟む方法のいずれかで実現されており、音声・画像のパターン認識・意思決定、ロボットなどの自己学習能力をもつシステム用にと期待されている。 [岩田倫典].

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ニューロコンピュータとは

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DARPA(米国国防省国防高等研究計画局)が日本円にして50億円以上の支援をし、自身も巨額の予算を投入して遂にIBMが商用レベルのニューロコンピューティングチップ 「TrueNorth」の開発に成功した。 数年前よりIBMは、「SyNAPSE」と呼ばれる人間の脳の構造を模倣したチップの開発を進めており、世界で最も進んだニューロコンピューターの開発に成功していたが、商用レベルにはとてもではない到達していなかった。 それが、百万個の「デジタル・ニューロン」と2億個千万個の「デジタル・シナプス」を用いることによって、遂に商用レベルで大量生産が可能なチップが完成した。 「TrueNorth」は、その商品名となります。 しかし、人間の脳に比べて圧倒的に正確で高速な計算力を持つ今のコンピューターに対して、脳を模したニューロコンピューターチップの何が今までと違うのか?さらに、このチップの登場により、私達の生活はどう変わっていくのだろう? 従来のコンピューター(ノイマン型)との違い まず、今までのコンピューターとは 根本的に全く違う原理で動いている。 一般的に使われるコンピューターはノイマン型と呼ばれ、メモリから0と1で構成された情報(計算要求)が送られてきて、それをCPUで順番に受け取って計算を行う。 そして計算結果をメモリに返すことで、コンピューターとしての演算が完結する。 基本的にはCPUとメモリで役割が分担され、CPUは計算のみを行う。 ところが、今回開発されたニューロコンピューターでは、チップの中にあるデジタルニューロンそのものが情報を蓄積する能力があり、受け取った情報は各ニューロンに送られ、演算そのものは各ニューロンに送られた情報を各々のニューロン間で並列でやりとりする事で成立します。 (構造を単純化した図) 構造だけ見るとメモリが無くなっているだけのように見えますが、実際にはニューロチップに送りきれない情報を蓄える記憶装置が別に存在しています。 ただ、一つ一つの演算装置であるニューロンが受け取った情報を蓄積・解析し、他のニューロンと情報交換しながら、関連性の高い情報と不要な情報を切り分けつつ演算を行うので、一つの情報当たりの演算の回数は圧倒的に少なくなります。 そう言われてもイメージが掴みにくいと思うので、例えば「10万人の顧客リストから、一人の顧客を見つけ出す計算をする」と考えてみます。 コンピュータには、膨大な数の名前が入った顧客リストと、探して欲しい名前しか与えられず、リストがあいうえお順にインデックスが振られていれば良いのですが、そうでない場合、今までのコンピュータは片っ端から順番に見ていきます。 ところが、ニューロコンピュータはリストの名前を一斉に見ます。 そして、それっぽい名前(似たような名前)だけに絞って、明らかに違うような名前は放棄します。 そして、似たような名前から少しずつ絞って言って、正しい名前を見つけ出します。 これを人間の行動で簡単に言い換えると、今まではリストの名前を一つ一つを 上から順番に見て言ったのに対して、ニューロコンピュータは リストを眺めて名前を見つけ出す。 と言う感覚に近いでしょう。 小さな電力消費、学習により速度が向上 原理が大きく違う事が分かりましたが、具体例のように、「リストを眺める方法」で本当に早く見つかるのか・・・と言うと、それはその人の経験により大きく異なる。 というのが、正しい応えになります。 人間でもそうですが、名前を一つ一つ探すより、リストを眺めるようにして名前を探した方が疲れません。 リストが日本人の名前であれば、似たような名前があれば眺めただけでもピンと来て見つけられるでしょう。 最初の方はうまく行かなくても、慣れていけばどんどん早くなるはずです。 しかし、 それが日本語ではなく、ロシア人の名前で書かれていたら話は別です。 全く見覚えのないロシア語で書かれていたら、名前を一つ一つ見ていかないと見落としてしまいます。 しかし、ロシア語の意味や特徴を覚えていけば、眺めるだけでも十分名前を探せるようになりますようね。 学習経験により計算速度が大きく向上する。 それがニューロチップの特徴の一つです。 さらに、要らない情報の計算を早期に切り捨てるので、 消費電力が圧倒的に低いというのも、大きな特徴になっています。 今回の「SyNAPSE」チップでは、消費電力の低さが従来型チップに比べて圧倒的に有利であり、タスクによっては 従来型の0. ただし、計算速度は従来型より遥かに遅くなります。 構造そのものが違い、全く別の計算方式を採用しているため、計算回数が少ないからと言って早いとは限らないのです。 計算速度が遅くては意味がないと思うかもしれないが、現在のCPUは小型・高密度化が進んでおり、単純な速度比較は出来ません。 つまり、SyNAPSEチップの小型・高密度化が進めば、同じサイズで同等の計算速度を達成する事は十分にあり得るということです。 現在、IBMではSyNAPSEチップを複数使用し、 脳の計算能力に匹敵する「ニューロ・シナプティック・スーパーコンピュータ」の開発を進めています。 その規模であれば、従来型の高性能コンピューターを遥かに凌ぐ演算速度で、 脳には、数千億個のニューロンがあり、シナプスは更にその数百倍はある。 今回の「TrueNorth」はニューロンが100万個程度であることから、「TrueNorth」が数万個あればニューロンの数的には到達します。 実際には、脳の中で計算に使われているニューロンの数が限られることから、それより遥かに少ない数で実現できることが期待されています。 私達の世界はどう変わっていくのか? SyNAPSEチップの最大の特徴は、脳に似た情報並列処理能力と低消費電力です。 脳に似ているということは、今現在コンピューターより脳の方が優れていると言える情報処理をSyNAPSEに代用させると言うような使い方が考えられます。 例えば、 音声認識・画像認識など、アナログ情報をデジタル化する情報処理です。 現在、顔認識テクノロジなどには、かなり高性能なチップと大きな電力消費が必要となっており、一般企業ではとても使えるレベルにはなっていません。 しかし、将来的にはインターホンなどに簡単に搭載できるようになり、音声や画像から来客者が誰だか分かるようになるかもしれません。 そして、圧倒的な低消費電力ということは、 小型端末に搭載して使うことが容易になります。 グーグルグラスに搭載し、顔認識機能を使いながらもバッテリーを殆ど消費しないと言う事も可能ですし、補聴器などに搭載して小型で長時間使用な可能な補聴器を開発する事も出来るようになるでしょう。 一つ注意して欲しいのが、ニューロコンピューターは実際の脳神経の働きをモデルにしているというだけで、実際の脳の働きを完璧に模倣しているわけではありません。 ニューロチップによって、人間の様に機械が意志を持ったり自律行動できるようになると言うレベルではありません。 あくまで、「脳の演算能力」を再現するために開発された技術であり、脳を人工的に作るための技術ではないのです。 ワイヤレスWebカメラやスマホで開閉できるスマートロック、そしてAmazon Echoに代表されるスマートスピーカーなど、インターネットにつないで使えるIoTデバイスは確実に普及してきています。 とはいえ、暮らしが便利になると楽観ばかりもしていられません。 セキュリティー会社はこぞってIoTデバイスのセキュリティーについて警告を発しています。 IoTデバイスへのハッキングは、自分が使っているデバイスのデータを抜き取られるだけでなく、大規模なサイバー攻撃へ知らず知らず加担するという結果にもつながりうるのです。 本記事では、IoTデバイスを脅かす「モノのボットネット」について、それがどういうものなのか、そしてどのような対策ができるのかを解説していきます。

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