コロナ 小松左京。 「日本の予言者」小松左京の警鐘

研究機関のウィルスが巻き起こす異常事態と人類絶滅。小松左京SFとは異なる結末を願う|古典にすべてが書かれている。|坂口孝則

コロナ 小松左京

今回取り上げる古典:(小松左京) 名著とは自分を再発見させてくれるもの だいぶ前に読んだ本のうち、ある瞬間にふたたび思い出すものがある。 読んだ瞬間には、その重要性もわからず、ただただページをめくるだけだったにもかかわらず、人生のある瞬間でふと心にひっかかる本。 たとえばボブ・グリーンの『ボブ・グリーンの父親日記』。 これは20代の後半に読んだ。 当時、氏の文体を研究していた私は、氏の著作をできるだけ集めていた。 30代の前半で結婚して子供が生まれたとき、ふと思い出して同書を再読してみた。 驚いた。 初読時には、まったく気にもとめなかった箇所が、父親になった私に襲いかかってきた。 両親との葛藤、娘への戸惑い、仕事と育児の両立……などなどが、切羽詰まった声として私の耳に届いてきた。 もしかすると、自分にとっての名著とは、自分の人生が流れるなかで、自分を発見させてくれるものなのかもしれない。

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『復活の日』で再注目!小松左京は預言者だったのか?

コロナ 小松左京

『』ストーリーとしては、東西冷戦時代の終末期に、細菌学者が作成したモンスターウイルス「MM-88」が起源となり、全世界に猛威を奮っていくことがベースになっています。 アメリカの人工衛星が宇宙空間から持ち帰った微生物をもとに、フォート・デトリック(メリーランド州フレデリックにある陸軍感染症医学研究所の通称)で生物兵器として使える可能性が研究されていた。 その原種「RU-308」がイギリスへ持ち出され、ポーツマス近郊の英国細菌戦研究所にてグレゴール・カールスキィ教授が改良を行った。 カールスキィは職業的倫理観や良心の咎め、MM-88が万が一にも外に漏れた場合の人類滅亡の可能性を思ううちにノイローゼとなり、MM-88株をチェコスロヴァキアのライザネウ教授に送り、東西合同で対抗薬品を研究・開発させることを思い立つ。 しかし職業スパイに騙され、CIAへ横流しされそうになったところ、スパイたちの乗る連絡機がイタリアのアルプス山中に墜落し、MM-88菌は世界にばら撒かれる(より抜粋) 「イタリア風邪」と命名されて全世界に蔓延し、感染者、死者を爆発的に出していく。 このあたりは、リアルなコロナウイルス感染を彷彿させるので戦々恐々なシーンです。 (2020年春の時点では、背筋が凍る感覚、目を背けたくなる心境です) 南極はボーダレスでありながら、女性が資源に! 世界中でウイルスが蔓延していくなかで、気温が著しく低い、南極大陸だけは感染しないという設定。 当時は、南極大陸の各国の基地に女性が圧倒的に少ないという時代。 (1980年当時ですから) 世界が破滅に向かう中で、女性との性行為による子孫を反映することが、さりげなく盛り込まれた映画です。 (男女差別発想ではなく、当時の背景と現実問題から不可避な内容です) ただ、 女性が資源だ!という表現には違和感が残りました。 男性だから、女性だから、子どもだから、大人だから、高齢者だからという、もしくは国籍で違いを求めてはいけないと思うので。 世界を救うために主人公は活躍するのは映画ですから 主人公が世界を救うために、ワクチンを打って(臨床試験なんて当然無理なので、人体実験状態)、危機的状況に立ち向かう。 このあたりは、クライシス映画の鉄板なので、異論はありません。 それよりも、この映画を作るために、24億円も投資し、海外ロケを1年近く行った、角川春樹という人物の熱意こそが、ものすごい映画だったとう印象が残りました。 制作費・宣伝を含めて赤字でも、この作品を作ろうとした熱意がすごいものを感じます。 角川映画は、、その後、薬師丸ひろ子主演の『 』などのアイドルを使った話題作に向かって興業的な成功を目指していきます。 現代のようなCG・デジタルな要素を使えるはずもなく、じっくりと使い、邦画なのに、外国人の出演者が多いので字幕が出まくるという不思議な映画。 邦画がチャレンジできるテーマとして、ここまで到達できた事実に感銘を受けました。 若手俳優・女優を使っての青春・恋愛モノや、ファンタジーで逃げるのではなく、クライシスに立ち向かう覚悟の映画って、ヒットはしにくいけど、メッセージ性は深いと思っています。 この映画後に、SF作家の小松左京さんは、有名な『 』まで描いたことを考えると、今から40年以上前に、こんな作品を構想して、映画化した関係者には頭が下がります。 安斎 輝夫 【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。 長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。 Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。 月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するラボ・リーダー(主宰者)。 また、3人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」の編集長。 Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。

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「日本の予言者」小松左京の警鐘

コロナ 小松左京

概要 [ ] 殺人との脅威により人類死滅の危機が迫る中、基地で生き延びようとする人々のドラマを描いた作品。 による破滅テーマの本格SFとしては日本ではこれが 嚆矢 ( こうし )になった。 執筆当時のの流行、の『ウイルス』、の『』『』、には風邪がないと記された [ ]の『南極越冬記』、また時代の緊張下で同じく人類滅亡を扱ったの『』を下敷きとしている。 本作で地震について調べたことが、代表作『』にもつながったという。 そして、の企画によるの初の日本人SF作家による長編シリーズ「日本SFシリーズ」の第1巻となった。 小松にとっては『』(光文社)に次ぐ長編第2作であり、の書き下ろしとしては第1作といえる。 題名は当初は考えておらず 、掲載するに当たって急遽思いついたのだという。 SF作家のは、日本のSFのレベルを引き上げたと高く評価した。 評論家のは、による終末テーマのSFの代表的な作品の一つとして扱っている。 2009年には、 による児童向けのリメイク作品として、『』がから出版された()。 時代を以降の21世紀初頭に移しており、それに伴うものや児童向けを理由とする改変がされているが、大筋では原作のストーリーそのままである。 新井は「児童向けの」であるとうたっている。 小説あらすじ [ ] 196X年2月、細菌戦研究所で試験中だった猛毒の新型ウイルス「MM-88」がによって持ち出される。 スパイの乗った小型飛行機は吹雪に遭ってアルプス山中に墜落し、ウイルス保管容器は砕け散る。 春が訪れて気温が上昇するとMM-88は大気中で増殖を始め、全世界に広まった。 当初は家畜のやと思われたが、による謎の突然死が相次ぎ、おびただしい犠牲者を出してなお病原体や対抗策は見つからず、人間社会は壊滅状態に陥る。 半年後、夏の終わりには35億人の人類を含む上の・・・を除くが、ほとんど絶滅してしまう。 生き残ったのは、に滞在していた各国の観測隊員約1万人と、海中を航行していたために感染を免れた のネーレイド号()、そしてT-232号()の乗組員たちだけであった。 過酷な極寒の世界がウイルスの活動を妨げ、そこに暮らす人々を護っていたのである。 南極の人々は国家の壁を越えて結成した「南極連邦委員会」のもとで再建の道を模索し、種の存続のために女性隊員16名による妊娠・出産を義務化したほか、で傍受した医学者の遺言からウイルスの正体を学び、の研究を開始する。 4年後、日本観測隊の地質学者の 吉住(よしずみ)は、旧地域への巨大地震の襲来を予測する。 その地震をに備わるARS(自動報復装置)が敵国の核攻撃と誤認すると、旧全土を内蔵が爆撃することや、それを受けた旧ソ連のARSも作動して南極も爆撃されることが判明する。 吉住とカーター少佐はARSを停止するための決死隊としてへ向かい、ホワイトハウス地下のへ侵入するが、到着寸前に地震が発生したためにARSを停止できず、その報復合戦で世界は2回目の死を迎える。 しかし、幸いにも南極は標的とならなかったうえ、の爆発によってMM-88から無害な変種が生まれ、皮肉にも南極の人々を救う結果となる。 6年後、南極の人々は大陸南端への上陸を開始し、小さな集落を構えて北上の機会を待っていた。 そこに、服が千切れて髪や髭はボサボサという、衰弱した放浪者が現れる。 それは、ワシントンから生き延びて徒歩で大陸縦断を敢行してきた吉住だった。 精神を病みながらも仲間のもとへ帰ろうとする一念で生還した吉住を人々が歓呼で迎えた。 多くの犠牲を出したとはいえ、人類は滅亡寸前で新たな再生への道を踏み出すこととなったのだ。 被災地に多くの文明の遺産が残っているおかげで、人類社会の再生は原始時代からのやり直しよりも遥かに迅速なものとなるという希望に満ちた見通しとともに物語の幕は下りる。 用語 [ ] MM-88 MMはMartian Murderer(マーシアン・マーダラー、「火星の殺人者」の意)の頭文字、88は継代改良した88代目の菌種を意味する。 アメリカの人工衛星が宇宙空間から持ち帰った微生物をもとに、(の通称)で生物兵器として使える可能性が研究されていた。 その原種「RU-308」がイギリスへ持ち出され、近郊の細菌戦研究所にてグレゴール・カールスキィ教授が改良を行った。 カールスキィは職業的倫理観や良心の咎め、MM-88が万が一にも外に漏れた場合の人類滅亡の可能性を思ううちにとなり、MM-88株をのライザネウ教授に送り、東西合同で対抗薬品を研究・開発させることを思い立つ。 しかし職業スパイに騙され、へ横流しされそうになったところ、スパイたちの乗る連絡機がの山中に墜落し、MM-88菌は世界にばら撒かれる。 絶対低温・絶対真空の宇宙空間に存在していたMM-88は、地球上の環境では強烈な増殖率を持つ。 摂氏マイナス10度前後から萌芽状態にもかかわらず増殖し、マイナス3度以上で100倍以上、摂氏5度以上で毒性を持ち始めるが、その段階の増殖率は、マイナス10度段階の20億倍。 増殖率・感染率・致死率が高すぎるため、弱毒化したうえでの実用化を目指していたが、MM-88はレガシーのMM-87比で2000倍の毒性を獲得していた。 MM-88は増殖・感染するのみの存在 で、に似た特定の球菌を媒介としてを含むに寄生し、宿主となるウイルスの増殖力・感染力を殺人的に増加することで、大規模な蔓延を引き起こす。 体内に侵入するとのに取り付き、変異を起こした神経細胞はの生成と伝達を阻害され、感染者は急性のような発作を起こして死亡するか、急性全身マヒに陥って死亡する。 発熱・咳・頭痛・関節の痛みといった諸症状から、世間では新型インフルエンザ「チベット風邪」の大流行と思われていた。 しかし、細菌でもウイルスでもないMM-88にはもも効果がなく、ウイルスに寄生するメカニズム、増殖・感染する核酸という理論すら知られないまま、防疫体制は崩壊する。 フォート・デトリックでRU-300系列を研究していたマイヤー博士は、世界をMM-88の惨禍が襲う中でその正体がRU-308であることに気づいたが、世界の破滅を食い止めることはできなかった。 唯一感染を免れた南極では、病原体の性質を突き止めたアメリカの医学者A・リンスキイがアマチュア無線で伝えた情報を元にMM-88の分離に成功し、それを記念してMM-88を「 リンスキイ・バクテリオウィルス」と命名した。 南極の科学ブレーンの一員であるド・ラ・トゥール博士により、半ば偶然に発見された唯一の対抗手段は、内での照射によって生まれた人体には無害な変異体 によって、MM-88の増殖を抑えることだけであった。 しかし、ARSの存在によって、MM-88は予想外の運命を迎える。 ARS(Automatic Reaction Revenge System) 米国の狂信的な反共軍人・ガーランド中将(映画では・大将)がのシルヴァーランド前大統領 と共に造り上げた「全自動報復(または「反応」)装置」。 戦略の確度を上げるため、軍の施設がの攻撃を受けて破壊された場合、その施設と一定時間の通信を行い、応答が無い場合はソ連へ向けて報復の全面核攻撃を全自動で実行する。 ・内にある切り替えスイッチにより作動する。 反動政治家シルヴァーランドの時代はが猛威を振るい、米ソは全面戦争の一歩手前まで行っていたという。 そのため、対抗上ソ連側もまったく同じARSシステムを保有せざるを得なかった。 そしてシルヴァーランドは南極にも極秘で軍事基地を建設しており、これを知ったソ連側も南極を核ミサイルの射程に置かざるを得なかった。 後任のリチャードソン大統領はARSシステムを廃棄しようとしたが、ガーランド以下軍内部の反共勢力の強硬な反対により果たせず、全面軍縮を実現させてからARSを無用の長物と化してしまおうと目論んでいた。 その矢先に世界はMM-88によって滅亡したが、ガーランドはMM-88の蔓延をソ連の生物兵器による攻撃とかたくなに信じ込み、死の直前にシステムを起動させる。 ワシントンを訪れた吉住とカーター少佐の目的は、起動している可能性のある ARSが、大地震によるアラスカ方面の軍事施設の破壊を核攻撃と誤認して作動することを防ぐため、スイッチを切ることにあった。 だが、2人がスイッチを「システム停止」に切り替えようとした瞬間にARSは作動してしまい、無人のソ連本土へ全面核攻撃を始めてしまう。 WA5PS 病原体の性質を突き止めたアメリカの医学者A・リンスキイが使用する、の。 エンドレステープを使い、ウイルス解析のヒントを放送し続けた。 この情報が南極を守ることとなり、これを記念してMM-88を媒介する球菌に「WA5PS」の名が付けられた。 小松左京の没後、このコールサインが実際のアマチュア無線局として指定されていないことが判明し、小松左京事務所に許可を求めたうえで「小松左京記念局」として免許された。 アメリカ大陸縦断ロケや南極ロケを敢行し、総製作費は25億円とも32億円ともいわれたSF大作映画である。 本来は1980年の正月映画として封切り予定だったが、製作の遅れから公開に間に合わなくなり、『』が正月作品として取って代わり、本作は半年遅れで公開された。 映画版あらすじ [ ] 1982年、米ソは雪解けに向かいつつあり、のランキン大佐にとって面白くない。 一方、細菌学者のマイヤー博士は自分が作成に携わった MM-88というウイルスがに渡ったという懸念に、頭を抱えていた。 ランキンの来訪にマイヤーはMM-88を奪還できたかと問うが、はまだ奪還できていなかった。 MM-88は極低温下では活動を休止しているが、気温が上がると活発化して爆発的に増殖するモンスターウイルスだった。 マイヤーは元々毒性がなかったMM-88にランキンが各大学で作らせた研究成果を合わせて耐性や毒性をつけ、として完成させていたことを問い詰める。 その事実をマイヤーが告発しようとしていることを知ったランキンは、軍の息のかかった精神病院にマイヤーを隔離する。 日本ではに志願した地震予知学者の吉住が、恋人の則子から別れを切り出されていた。 一方、の科学者は米国から盗み出した研究中のMM-88の毒性と脅威を知り、CIAを通じてサンプルをウイルス学の権威に渡してワクチン開発を依頼しようとしていた。 しかし、科学者がCIAだと信じてサンプルを渡した相手はであり、彼らはセスナ機で逃走中にMM-88ごとアルプス上空で墜落事故を起こした。 その直後からでは放牧中の牛が大量死し、イタリアではと幼児を中心に感染が広まっていく。 かつてのに倣って「イタリア風邪」と通称された疾患は全世界に広まりつつあり、リチャードソンは事態を重く見て閣僚たちと対応策を練るが、爆発的な感染にワクチン精製が追いつかず、世界各国では暴動にまで発展する。 この事態がによるものではないかと指摘したバークレイに救出されたマイヤーは早速ワクチン精製に取りかかり、ランキンを拘束に追い込む。 一方、タカ派のガーランド将軍は示威目的で自動報復システムの起動を進言するが、リチャードソンに拒絶される。 日本国内でも感染を拡大しつつある恐るべき致死率の「イタリア風邪」は、各国主要都市を次々に壊滅させていく。 看護師として患者の対応に追われていた則子は疲労が祟り、吉住との子を流産してしまう。 「イタリア風邪」の猛威の状況は、南極にも知らされていた。 隊長の中西は各国の観測所と連絡を取り合い、事態の把握に努める。 家族を日本に残す隊員たちの動揺は増すばかりで、妻子持ちの辰野も焦りを隠せない。 そんな中、からとある少年の通信が昭和基地に届くが、無線機の扱いを知らない(デスクマイクの送信ボタンを押したままロックさせてしまい受信状態に戻せない)彼は父の銃で自殺する。 辰野の動揺は頂点に達し、妻子の写真を抱えた彼は南極の大地に姿を消した。 ついにMM-88はソ連指導者をも死に至らしめ、リチャードソンの妻も命を落とす。 リチャードソンは政敵バークレイと過去を語り合う中、南極にあるパーマー基地の存在を思い出す。 基地の健在を知ったリチャードソンは最後の大統領令として、南極に残る各国基地の越冬隊だけが最後に残された人類であると語り、外出や侵入者を許すなと命令した。 新たに発足した南極政府の会議におもむくため、中西隊長と吉住はパーマー基地を目指す途中、基地で口論の果てに発生した銃撃戦から唯一まぬがれていた、臨月間近の女性隊員マリトを保護する。 のコンウェイ提督とソ連のボロジノフ博士は互いの遺恨を忘れて南極会議の中心に立ち、ノルウェー基地の吉住からは子供の無事誕生が伝えられた。 子供はで「日の出」を意味する「Gry(グリー)」と名付けられた。 しかし、男性に対する女性の割合があまりにも少なすぎることから事件が起き、女性は貴重な資源として南極政府は性交渉を管理することとなる。 さらにソ連の原子力潜水艦が救助を求めて寄港するが、艦内に感染者を抱えていた。 寄港を許可できないと退けるボロジノフ博士に対し、艦長代理のスミノルフ少尉は上陸を強行しようとする。 その窮地に現れた英国の原子力潜水艦ネレイド号はソ連の原潜を撃沈し、航海を続けるため去ろうとするが、感染者が出ていないことを確認されて上陸を許可される。 ネレイド号の乗員たちを新たに加えた南極政府は最初のを迎え、マリトと再会した吉住は彼女への好意を意識するが、マリトはクジで選ばれた別の男性と一夜を過ごすのだった。 MM-88の脅威はなおも健在であり、ラトゥール博士がそのサンプルと向き合う中、吉住が新たな脅威の種を発見する。 それは、まもなくの近郊で巨大地震が発生するというものだった。 遠く離れた南極とは無関係と思われたが、自動報復装置が作動していた場合、核攻撃と誤認して報復用のが発射される。 マクラウドは自動報復装置の作動を確認しており、米ソは互いの南極基地をも照準していた。 発射を阻止するための決死隊の人選が行われ、カーターはこんなものは馬鹿げていると志願し、吉住は自分が選ばれたと嘘をついて同行を申し入れる。 カーターは吉住の理解しがたい行動に暴力をもって説得しようとするが、吉住の決意は変わらなかった。 基地に帰った吉住は、仲間からの粋な計らいによりマリトと最後の一夜を過ごす。 万一の場合に備え、女性を中心とした一団は砕氷船で避難する。 カーターと吉住はラトゥールからワクチンのサンプルを渡され、ネレイド号で大西洋からをさかのぼってに潜入するが、すでに前震は始まっており、地下にある自動報復装置を停止しようとする彼らの決死の行動もむなしく、核ミサイルは発射されてしまう。 世界は二度目の死を迎えるが、ワクチンは有効だった。 ただ1人生き残った吉住は歩き出し、アメリカ大陸を徒歩で縦断していく。 精神を病み死者の声を聞いても歩みを止めなかった吉住は、やがて南端にある湖畔へたどり着く。 そこは、核攻撃から避難していたマリトやラトゥールたちの作った集落だった。 キャスト [ ] (括弧内=TBS放送時の吹替) 南極日本隊• 吉住周三:(本人吹替)• 辰野保男:(本人吹替)• 中西隊長:(本人吹替)• 山内博士:(本人吹替)• 真沢隆司:• 松尾明正:• 隊員:、、、、 南極アメリカ隊• コンウェイ提督:()• カーター少佐:()• サラ・ベーカー:• 女性隊員:、、、、• 無線係:() 南極ソ連隊• ボロジノフ博士:(• ネフスキー大佐:( 南極ノルウェイ隊• マリト:()• グリィ: 各国南極観測隊• ロペス大尉:(• ラトゥール博士:(• イルマ・オーリッチ博士:(• チュロウイッツ博士:• ギロン少佐:• バーンズ博士:• キング中佐:• エイハブ無戦士: ネレイド号乗組員• マクラウド艦長:(• ジョーンズ大尉:• 航海士:• 無線係:• 水兵:、、 T232号乗組員• スミノルフ少尉:(• 電探係: 日本本土• 浅見則子:• 辰野好子:• 辰野旭:• 土屋教授:• 田所助教授:• 助手:• 別の助手:• 看護婦:、、、• 母親:• その子: アメリカ• リチャードソン大統領:()• バークレイ上院議員:()• ガーランド統参議長:()• リード国務長官:• モリソン国防長官:• ワット保健長官:• シモンズ補佐官:• ランキン大佐:()• マイヤー博士:()• ロジャース博士:• 看護夫:、、• ランキンの運転手:• スパイZ:• 巨漢:• 小男:• 操縦士: ソ連• 少年牧夫: 東ドイツ• クラウゼ博士:• 衛兵:• 憲兵将校:• 憲兵:• TVナレーター:• ニューメキシコの少年(声):• スタントマン:、 その他吹替• スタッフ [ ]• 製作:• 監督:• 原作:(角川文庫版)• プロデューサー:岡田裕、大橋隆• 脚本:、深作欣二、グレゴリー・ナップ• 撮影:• 撮影補佐:• 照明:• 美術:横尾嘉良• 美術助手:小川富美夫• 録音:紅谷愃一• 編集:• 記録:小山三樹子• 演出補佐:高須準之助• 制作担当:長岡功、スーザン・ルイス、天野勝正• 助監督:、吉田一夫、、ジェシー西畑• 音楽プロデューサー: ()• 音楽:• 音楽監督:(鈴木音楽事務所)• 音楽監督補佐:高桑忠男(東映音楽出版)• 主題歌:「ユー・アー・ラブ(Toujours gai mon cher)」• 作詞:ジャニス・イアン• 作曲:テオ・マセロ• 翻訳:、• 現像:、フィルムハウス()• 角川春樹事務所・提携作品• 吹替版制作:、グロービジョン• プロデューサー:• 演出:• 翻訳: 企画 [ ] 本作より以前、に映画化企画があがっていたが、合作でないと日本では無理との東宝の判断で英訳され、へ渡されている。 その後、当時フォックスに出入りしていたが4年後のに類似テーマの『』を出版。 ベストセラーとなり、映画化(邦題『』)もされ小松を驚嘆させた。 、が社長に就任したではを古典中心からエンターテインメントに路線変更を図り、特に日本のSF小説に力を入れていた。 本作もから刊行されていたものを、に角川文庫から再刊した。 また当時、角川は映画製作事業も開始しており、いわゆるの一作として白羽の矢が立った。 角川春樹は社長に就任するとすぐ小松に文庫化を依頼し、映画化の際には小松に「これを映画化するために会社を継いだ」と語ったという。 角川春樹は自著でも「映画製作を行うようになったのは『復活の日』がきっかけ」 、「この作品を作ることができれば、映画作りを辞めてもいいと。 それくらいの想いがありました」 と述べている。 企画開発は1974年に始まる。 海外展開を視野に原作を英訳し、やらパニック映画の監督にを送ったが関心を得られず。 角川春樹はを多く撮ってきたからミスマッチという周囲の猛反対の声をおして、を監督に起用。 撮影監督は東宝専属だった。 小松左京の『』を監督したも『復活の日』をやりたがっていたが、「監督は深作欣二か。 大作と合うよ」と、『』『』で起用予定だった木村を送り出した。 その他、深作監督の下、日活と東宝と東映からなる日本人スタッフと人の混成チームが組まれた。 キャスティングもやら外国人俳優が共演したため、英語の台詞が多用された。 撮影 [ ] 1978年冬に90日間、5千万円をかけたを敢行。 撮影には1年以上をかけ、日本国外のロケに費やした日数は200日、移動距離14万km、撮影フィルム25万を数えた。 撮影隊はアメリカ大陸の北はから南はまで移動し、遺跡でも撮影を行った。 35mmムービーカメラで南極大陸を撮影したのはこの映画が世界初である。 南極ロケについては40日をかけて、それだけで6億円の予算がかかった。 当初は、日本のロケで済まそうという話もあったが、木村大作はそれなら降りると主張し、深作欣二のこだわりもあって、南極ロケが実施された。 小松でさえ、映画化の話を聞いたときはかでロケをするのだろうと思っていたという。 南極ロケではから本物のとピロート・パルドをチャーターした。 1979年12月末、撮影スタッフや観光ツアー客の住まいとなった耐氷客船リンドブラッド・エクスプローラー号 ()が座礁・浸水し、チリ海軍に乗員が救出されるという事故が発生。 の記者が乗り込んでいたことから一般ニュースとして日本で報道され 、『』の1面でも報じられるなど、話題には事欠かなかった。 世界各地の様子を知るために、ので情報収集をする様子が描かれている。 壮大なスケールの原作の映像化にふさわしく、当初14億円から15億円の予定だった製作費は、南極ロケの実施により18億円になり、最終的には25億円に達した。 反響・評価 [ ] 1980年の邦画興行成績では監督作品『』に次ぐ24億円の を記録するヒット作となるものの、製作費が巨額だったため、宣伝費等を勘案すると赤字であったとされる。 本作がきっかけとなって、角川映画はの大作志向から、はら角川春樹事務所の所属俳優が主演するアイドル路線のに転換した。 アメリカ人スタッフによる編集で海外版を制作したものの、海外セールスは好調とはいかなかったとされる。 角川春樹は「配収は自分が予想したよりも全然少なかった。 それに海外マーケットが成立しませんでした」「自分の夢は一旦成立し、これで勝負は終わったんだと。 ここから先は、利益を上げる映画作りへシフトしようと考え方を変えたんです」と振り返っている。 これまでに『』『』などが映画化されている小松であるが、本作を非常に気に入っており、自作の映画化作品で一番好きだという。 深作ファンだったは作品の出来に落胆し 、は「小松左京は『日本沈没』を除けば映画化に恵まれなかった」との感想を述べている。 角川と共同製作したは、1980年4月から放送した連続テレビドラマ『』の第10回「復活の日」 放送 で、演じる映写技師が本作の場面を流すタイアップを行なった。 放送日は映画公開前日だった。 3月16日と3月20日にで放送予定していたが、直前に起こったへの考慮で放送中止となった。 に「角川ブルーレイ・コレクション」の一作品として化。 2016年には木村大作の監修によるデジタル修復が4K解像度で行われ、2017年には4K Ultra-HD盤も発売された。 受賞歴等 [ ]• ベスト・テン 読者ベスト・テン 3位• ベストテン• 優秀映画鑑賞会ベストテン 8位• シティロード 読者選出ベストテン• 文化庁優秀映画製作奨励金交付作品• 日本映画優秀賞• 録音賞(紅谷愃一)• 最優秀録音賞(紅谷愃一) 脚注 [ ] [] 註 [ ]• 小松は題名を考えずに小説を書く。 小松は後に、自身が題名を考えずに小説を書いたために時空がゆがんでしまうという内容のSF長編『』を発表している。 本作がペンネームを「あらいりゅうじ」から変更して初の作品である。 ただし、ごく一部の・といった(・・などの・一部の陸棲哺乳類〈の一部など〉、などの一部の海棲鳥類と一部の陸棲鳥類〈一部ののみ〉)はほとんど生き残った。 原子力潜水艦は通常の潜水艦と異なり、艦内の空気を長期間自己完結させるほか、海水電解で空気を精製させることができるため。 詳細はを参照。 小説発表時にはこのようなものは知られていない、空想上の病原体であったが、後に高等植物に感染するやに感染するなどの「増殖・感染する核酸」の実在が知られるようになった。 映画版ではワクチンとして扱われている。 『復活の日 人類滅亡の危機との闘い』では1980年代の元大統領となっており、ガーランドの死後にARSは存在すら忘れられかけていたと言及されている。 原作では、「の選んだ道を強引に引き返した」とされ、的な軍人でさえも「アメリカの後進性に絶望」した。 観測隊員には、「の」「ホワイトハウスの」とまで評されている。 細部が異なるが「自動報復装置」として実在する。 を参照。 映画ではネレイド号が通信によって作動を確認し、マクラウド艦長が不審に思ったと語っている。 出典 [ ]• 小松左京『SFへの遺言』、1997年、124頁。 小松左京『小松左京のSFセミナー』〈〉、1982年、221頁。 , pp. 63, 130-134• 福島正実『未踏の時代』、1977年、136-145頁。 , p. 439, 巻末インタビュー• 「堀晃「復活の日 作者と作品」」『世界のSF文学・総解説』、1992年、増補版、246-247頁。 石川喬司『IFの世界』、1978年、201頁。 JK1FNL 2012年10月26日. PaperDXers. 2017年9月24日閲覧。 「小松左京マガジン第45巻」(角川春樹事務所発売、2012年4月発行、)に取得に関する が掲載されている。 「邦画新作情報」『』1979年5月下旬号、、 180頁。 442-443• , p. 141• , p. 141• 角川春樹『試写室の椅子』、1985年、126, 137。 , p. 159• , p. 105• , pp. 105-106• 「FRONT INTERVIEW NO. 157 角川春樹」『キネマ旬報』2008年6月下旬号、キネマ旬報社、 6頁。 木村大作、金澤誠『誰かが行かねば、道はできない 木村大作と映画の映像』キネマ旬報社、2009年、78-79頁。 , p. 生江有二「阿修羅を見たか 角川春樹と日本映画の20年 第8回 白夜の中で」『週刊ポスト』1998年5月22日号、小学館、 160頁。 金澤誠(聞き手・文)「「風にふかれて気のむくままに 木村大作「」への道、」第5回「復活の日」篇1」『キネマ旬報』2009年1月上旬号、キネマ旬報社、 [ ]。 角川書店版 [ ]「あとがき」より• 110-111• 「「プロデューサー・田中友幸の思い出」」『ゴジラ 東宝特撮未発表資料アーカイヴ プロデューサー・田中友幸とその時代』、志水俊文、中村哲 編、角川書店、2010年、134頁。 深作欣二、『映画監督深作欣二』、2003年、374-384頁。 金澤誠(聞き手・文)「「風にふかれて気のむくままに 木村大作「剣岳 点の記」への道、」第6回「復活の日」篇2」『キネマ旬報』2009年1月下旬号、キネマ旬報社、 [ ]。 2016年11月30日閲覧。 『『砂の器』と『日本沈没』70年代日本の超大作映画』、2004年、223-230頁。 「ひげじい「キネマの天地とハリウッドに見る20世紀の映画事情」」『20世紀死語辞典』20世紀死語辞典編集委員会 編、、2000年、276頁。 「磯田勉「角川映画のアイドル戦略」」『アイドル映画30年史』〈別冊VOL. 2〉、2003年、97頁。 , pp. 116-117• , p. 330• , p. 148• 井筒和幸『ガキ以上、愚連隊未満。 』、2010年、78頁。 小松左京 ほか『完全読本 さよなら小松左京』、2011年、279頁。 参考文献 [ ]• 角川春樹、『いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命』角川春樹事務所、2016年。 小松左京『復活の日』〈〉、1998年。 小松左京『SF魂』〈〉、2006年。 小松左京『小松左京自伝 実存を求めて』、2008年。 関連項目 [ ]• - 作中ではやが取り上げられている。 ウイルス感染を題材にしたフィクション作品。 - によるSF漫画作品(1976年)。 猛毒ウイルスが地上に蔓延し6・9指令(99. 外部リンク [ ]• - (英語)• - (英語)•

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